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私たちが、衣・食・住に使う物を作るのには、たくさんのエネルギーが消費されます。かわりに廃棄物や廃棄ガスなど、地球にとってよくないものがたくさん放出されます。これがもうひとつの問題、「環境汚染」です。私たちが物を作れば作るほど、地球は汚れていくのですね。

では、私たちの住む家を作るのに、木を使うことはどうなのでしょうか。木は加工しやすいうえに、切ったそのままの形で利用できます。手を加える必要がないということは、わずかなエネルギー消費で済むということです。家づくりに木を使うということは、地球の環境にも良いことだといえるのです。

私たちが長く共に歩んできた木は、こうして私たちの母なる地球を守っているのです。木と共に暮らすこと、木が身近にあることに、かけがえのない安らぎを感じるのも、このためかもしれません。
木は地球にやさしい身近な資源です
私たちの地球にあるたくさんの森は、二酸化炭素を吸って、酸素をつくってくれます。まるで地球の空気清浄機なのです。それだけでなく、森の木々は雨水を貯えて、洪水や土砂崩れを防いでくれます。
地球を守る森の木々
絵本挿絵1
絵本挿絵2
よく木は呼吸するといわれます。部屋の中のジメジメした空気を吸い込んで、気持ちのいい湿度にしてくれます。また室内が乾きすぎると、湿気を出してくれるのです。森や木々への除菌効果や、目へのやさしさは、家に使われた木にもそのままうけ継がれています。地球の環境から私たちの住いまで、木は私たちにとってなくてはならない存在なのです。
木は呼吸する
木でつくった家は、鉄やコンクリートに比べると、熱を伝えにくいから住み心地がいいものです。
肌ざわりの良さも売りもので、他の素材より、体が疲れにくいのです。
夏はひんやり、冬はあったか
ところで、目を痛める原因のひとつが紫外線。でも、木はその紫外線を吸収してくれるので、目の健康にもいいのです。
また、天然の木目や年輪の模様は、ひとつとして同じものがありません。ずっと見ていても飽きない独特の美しさや味わいがあります。
目にやさしい木肌の色合い
昔から木の香りは、ノドの炎症をおさえたり、セキをしずめたり、蚊を寄せつけなかったりすることが知られていました。
これは、木が発散している「フィトンチッド」という物質の、とても不思議な効果なのです。もちろん、木の良い香りは人の気持まで落ちつかせてくれます。
森の空気は不思議な力?
昔、ひとびとは森のなかで、木々の緑や動物たちに囲まれてくらしていました。
今でも私たちは、にぎやかな街のなかより、森にいるほうが心が安らぎます。森の木々にはそんな人にやさしい「ぬくもり」があるのです。
緑のぬくもり
あすみの家と木の話