産直運動
産業化が加速するまでは、住宅に使用される木材は日本国内に点在する林山地から全国に供給され、また、地元の山の木も普通に使われていました。しかし、効率化とコストダウン、さらに品質の両立が至上命題となったことから、丸太の輸入が増え、製材品も大量に輸入されるようになりました。こうして木材の輸入量が増えていった結果、我が国の木材自給率は20%となり山の荒廃が加速しました。山が荒廃するとどうなるでしょう。保水能力が低下して鉄砲水や土砂崩れが起きやすくなったり、山の動植物の生態系循環システムに悪い影響を与えたりします。また、その影響は川下の海にまで影響を与えることになります。山の荒廃は「ポイント・オブ・ノーリターン」と呼んでも過言ではないレベルまで進行しており、今、手を打たなければ、次世代に大きな負の遺産を残すことになってしまいます。私達が産直というつくり手にも負担が求められるシステムに取り組んだ理由は、まず木曽東濃檜にほれ込んだことが第一ですが、その東濃檜をきちんと品質管理された状態で確実に、また山を守るための収益を山に残すには、産直というかたちしかないと考えたからです。
産地直送プレカットシステム
従来の木材の流通スタイルを破壊して森林所有者(森林組合等)→製材業者→プレカット工場→工務店という新たな流通スタイルで、構造材を産地でプレカットして建築現場へ届けます。
<産直のメリット>
中間業者とそのコストのカットでお客様にコストハフォーマンスの高い住宅の提供が出来、加え生産者と消費者を顔の見える関係で結ぶことが出来、お客様に安心を与え店の信用アップに繋がる。
産地で加工、そして現場へ
木曽・東濃檜の良さを引き出す製材技術
山から伐り出された東濃檜を待っているのは、坂下が誇る製材技術。まず、良材を選び抜き、丸い材を四角に製材します。亀裂が入らないよう背割して入念に乾燥させ、さらに挽き直して仕上げます。この2度挽きによって、材の狂いがなくなるだけでなく、東濃檜独特の美しい色艶が引き立ちます。また一般の建築用材は含水率が30%ほどで出荷しますが、坂下では17~18パーセントのレベルに押さえています。木に含まれた水分が少ないほど強度が増し、狂わないからなのです。
プレカット加工で精度と強度を確保
製材の次はプレカット加工。従来は大工さんの手作業によって行われていた角材の端末の、継ぎ手や仕口の加工を、コンピュータを駆使した最新鋭の機器で削ります。コンピュータが自動的に材木を所定の寸法に加工するので誤差がなくなり、建築施工現場での手直し不要。現場での施工精度向上だけでなく、従来の工法と比べると強度は1.5~2倍と飛躍的にアップ。さらに施工現場では木材を加工する必要がないので、加工音もなく静かでゴミも出ません。
産地直送で予算を抑えます
一軒一軒の図面に合せ、細心の注意で加工、品質をチェックした材木は、建築現場へと直送されます。従来の複雑な流通経路はいっさいありません。一般の流通経路から木材を入手する場合、品質にムラがあり、安定供給も極めて難しくなります。しかし坂下が品質を認定する木曽・東濃檜なら安心。高品質の木曽・東濃檜を納得していただける価格で入手できるのです。つまり、産地直送システムで木曽・東濃檜の家を建てると、トータルに見て建築予算を低く抑えることができるのです。
産直システムの流通経路
中間の流通経路をはぶいた産直システムで檜の価格をおさえています

一般の流通経路